2015/5/11(Mon)
権力を握った人間はとかくその地位を守ることに必死だ。それを脅かすものはことごとく排除するのが日課になる。
だから権力者は有能な人間を使えない。使えないというよりは使わない、あるいは使うことを恐れる。そういう人間が最も自分にとって脅威になることをよく知っているからだ。
少し賢い権力者になると、有能な人間を抱き込んでその知恵を活用する。しかしその手下に対して絶対に権限を与えず、いわば飼い殺しにする。
自分を蹴落とす人間を要職に抜擢するほどの度量を持つ人こそ、権力者に相応しい器なのだけれど。
小谷隆