2015/4/9(Thu)
30年近くメディアと付き合ってきて悟ったことは、ジャーナリズムには普遍的なやり方があるということだ。そこは良く言えば変わらぬ本質とも表現できるのだけれど、悪く言えば進歩がないということでもある。
最たるものは強引なまでの単純化だろう。新聞もテレビもとにかく物事を分かりやすくするためにあらゆる周辺事情をそぎ落としていく。最後に残った事実は確かに嘘ではない。しかし、得てして真実はその単純化の過程で棄てられたものの中にこそある。
そこに光を当てるメディアの出現を、もう長いこと待ちわびている。
小谷隆