2015/3/31(Tue)
いま見ている現実は決して単層的なものではない。それは自分の固定観念で切り取っている一つの断面の投影を見ているにすぎないのである。
現実とはもっと多層的で多角的なものだ。物には上も下もあり、右も左も、前も後ろも、内も外もある。同じ現実でも、視点をどこに置くかで見え方はまったく違う。
意識が現実を変えるというのは実のところそういう単純な話だ。ただ、視点を変えて見えてくる現実は想像以上に違ったものになる。針の筵の会議室がセイシェルの砂浜に変わる。現実の多層性とはそれぐらい極端なものなのである。
小谷隆