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<< 傘の哲学 >>


2015/3/22(Sun)

 傘が嫌いだ。よほどの雨にならない限り傘は広げない。半平太よろしく、小雨なら濡れていくことを選ぶ。
 特に長い傘が嫌いだ。傘立てに入れた傘は雨が止んだら100%忘れてしまう自信があるし、実績にも事欠かない。立派な傘を買えば忘れなくなるなんて嘘だ。
 だから持つにしても折り畳みに限る。鞄にすっきり入るサイズであることが条件だ。電車の中では無用の傘に片手を奪われるのが許せない。だからいつも濡れた傘は畳んでビニール袋に包んで鞄に放り込む。
 かくしてコンパクトすぎる傘の下、雨の日はびしょ濡れだ。


小谷隆


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