2015/3/11(Wed)
世の中の多くの夫婦は、結婚適齢期にたまたま手の届く距離にいた相手と駆け込むように婚姻を結んだに違いない。人生最良のパートナーというよりは、適齢期に結婚という形で収まるのに最も無難な相手だったのだろう。
もちろんそれが最良のパートナーである場合もある。それ以前に、婚姻という契約を結んだ後では他の可能性と比較することさえ憚られる。そういう自制心のことを俗に倫理と呼ぶ。
しかし本当に添い遂げるべき相手は得てしてそんな世間的な枠の外に見つかる。たまたま見上げた空に期せずして煌めいた流れ星のように。
小谷隆