2015/12/9(Wed)
屋根の上の猫は端に陣取るのが好きだという。一見落ちそうで危なっかしく映るけれど、そこから尾を垂らしているから屋根の涯がどこにあるかわかる。「ここまでは大丈夫」という限界を常に体感しているからこそ安心して居眠りしていられるのだ。
人もまた同じ。若いうちはギリギリまでやんちゃに生きて、時には羽目を外してみて、一度や二度は痛い目にも遭ってみた方がいい。そういうことを通じて踏み越えてはならない一線のありかを知るのだから。安全な屋根のてっぺんでのうのうとしているのが実は最も危険なのかもしれない。
小谷隆