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<< 50歳の速球投手 >>


2015/10/7(Wed)

 お世辞にも格好のいい投球フォームとは言えない。大きな体躯をぎこちなくくねらせながら、それでも長い左腕は最後に打者の方へ絶妙にしなる。しかし球速は135キロ。剛球投手ならタイミングをはずすチェンジアップ程度の遅球だ。
 それでもなぜか打者は振り遅れる。誰もが「速い」と感じる。そこには物理的な速度を超えた「技術」があった。
 昭和の終わりから実働四半世紀。積み重ねた勝ち星は219。打たれても年齢のせいにはせず、まだまだ下手くそだからと自省した。
 山本昌、50歳。最後のマウンドに立つ。


小谷隆


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