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<< それは辞世の美学なのか >>


2015/9/25(Fri)

 美しい記憶だけを遺して逝ってほしかった。すべてをさらけ出すことが女優の務めだと信じていた故人には失礼かもしれない。しかし、骨と皮になるまで痩せこけた姿をこの人の最後の印象にはしたくなかったのが本音だ。
 川島なお美さん、享年54歳。往年の素敵なお姉様は歳を重ねるごとに色香も重ねていくような人だった。それだけにあの激やせ姿の会見は衝撃的に哀しかった。
 あの姿であえて人前に出ることが病に対する彼女のファイティングポーズだったのだろうか。想像は膨らむけれど、その本心はもはや知るべくもない。


小谷隆


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