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<< お金持ちという生業 >>


2015/8/3(Mon)

 幼い頃、「お金持ち」という職業が存在すると信じていた。彼らはお城のような豪邸に住み、シャンデリアの下で毎日ビフテキを食べている。その子女たちの部屋は望む限りのおもちゃと、食べきれないほどのお菓子で埋め尽くされている。家のことはすべて「召使い」がやってくれる。
 彼らは経営者でも芸術家でも芸能人でもない。金持ちであるということが、会社員や消防士やパイロットと同列の立派な職業である。ただ金持ちであるというだけで、無尽蔵な金を使うことができた。
 それは昔も今も、僕が最も憧れる職業である。


小谷隆


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