2015/7/13(Mon)
「抑制された文章」とはどんな文章のことだろう。ざっくり言えば、書き手の感情を極力抑えた、ドライで中立的な文章のことを指すのだと思う。もちろん褒め言葉である。
僕の文章はといえば、それとはむしろ対極にあった。物事を客観視する前に、どちらかといえば思いが先に立って、そのほとばしりが文字に置き換えられていたようなところがあった。
だから僕にとって文章修行とはひたすら主観的な思いを抑えることだった。それが読者の側に立った視点を持つこととほぼ同義であることを悟ったのはつい最近のことである。
小谷隆